2024年7月7日(日)に社会好き応援企画「武田信玄」(講師:スクールFC講師 狩野崇)を開催しました。めざすは、躑躅ヶ崎館(武田氏館)です。躑躅ヶ崎館は、信玄の父が築城し、三代に渡り武田氏の本拠地でした。主郭は、現在武田神社となっています。
折しも、この日は全国的に厳しい暑さ、甲府は38℃を記録する猛暑日でした。果たして無事に攻め入ることができるのかー。
タイムスケジュールは、午前中にオンライン講座、午後に実際に躑躅ヶ崎館を訪れるという流れでした。参加者は、午前中が23名、午後は保護者も含め総勢31名でした。
午前中のオンライン講座は、クイズで幕を開けました。お子さん達は挙手したり、ジェスチャーで回答したりと、活発に参加していました。まずは、武田信玄の父である信虎の解説から始まります。一般的には”悪逆非道”なイメージで語られることが多い信虎ですが、水害が起きやすい甲府の地を治め、城下町を築き、画期的な政策を打ち立てるといった解説を聞くうちにすっかりその印象が変わりました。やはり超一流と言われる武将の父は只者ではありませんでした。
「軍師になって考えてみよう」という問いでは、お子さん達それぞれのアイディアが光ります。信玄がいかに領土を拡大し、どの武将と手を組み、といった戦略を知れば知るほど、”甲斐の虎”と呼ばれるのも納得でした。あくまでもメインテーマは歴史ですが、地理、政治、文化等、様々な要素が絡み合い、学ぶおもしろみがぐっと深まる時間でした。
さて、午後は満を辞しての出陣です!甲府駅から武田神社までの道のりは2km少々ですが、午後の日差しを浴びながらの進軍の厳しさ!「一番の敵は暑さです」という狩野講師のお言葉通りでした。
その後、信玄ミュージアムで午前中の復習をし、いざ躑躅ヶ崎館へ。しかし、そこは社会好き応援企画です。観光客用の入り口ではなく、堀を巡りながら昔の大手門へ向かいます!途中、86段の階段を登った小高い見晴台からは、甲府の城下町が一望できるだけではなく、一方には信玄の父である信虎が今川氏と戦った「飯田河原古戦場」、他方には詰城であり信玄が生まれた「要害山城」を確認できました。まさに戦国の世に思いを馳せ、タイムスリップできる瞬間でした。
一行は本曲輪から西曲輪へと向かい、北側から攻め入ることにしました。どこからか「攻めていくぞー!」というお子さんの声が聞こえます。しかし、ここにも抜かりなく枡形虎口等の工夫が施されています。参加者は皆熱心に、講師の説明を聞いていました。先ほどまではただの山道だった景色が、一瞬にして戦の場になりました。
最後は、江戸時代に造営された曲輪を歩きながら、武田二十四将であった板垣駿河守信方(板垣退助の先祖)の屋敷跡に辿り着きました。家臣を館の周りに住まわせるという、信虎時代からの政策の名残が見られる町作りでした。
今回は、午前の事前学習に午後の実践と、一日を通して躑躅ヶ崎館の全貌、奥深さを体験しました。現代にも受け継がれている武田信玄の精神にふれることができる、貴重な機会となったことと感じます。次回の城攻めは2025年3月です。詳細は決まり次第、ホームページにてお知らせいたします。皆さまのご参加、心よりお待ちしております!
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